2011年07月11日

整備講習【長文です】

「整備を学びたい」と遠方のお客様からご相談がありました。
日常の業務をこなす中、そのような時間を作れる自信が無くお断りしようかと考えてましたが、ものすごい熱意に根負けしました。

後輩を育てたり、お客様にアドバイスしたりすること自体は好きなので こっちとしても良い経験かな。と思い承諾しました。

期間は泊り込みで4日間。(店に泊まったわけではありません)
内容はご自身の車輌を使っての整備作業講習です。
講習と言っても、私は進行やアドバイスと重要部分の作業及び検査をするだけで お客様がメインメカニックです。【この後は体験者と書きます】

工具は店でお客様用に用意してあるものではなく、私が普段使ってるSnap-on等の実作業用工具を使用してもらいました。

体験者はプロとしての整備経験はなく、自分のバイクの簡単なメンテナンスができる一般的なユーザーレベルです。(普通はそれで充分なレベルです)
今回の講習では 「構成部品の役割等の知識、工具の使い方、分解組立て作業の正確さ」 ようはプロとしての経験がないと難しい部分の作業・アドバイスをメインにやりました。

@キャブレター分解清掃
 4連キャブの分解(分割は無し)、清掃、部品交換、組立て、調整
Aステムベアリングの交換
Bサーモスタットの交換
Cエンジンオイル&オイルエレメント交換
D他 点検作業 等


私も最初は整備なんて全くできませんでした。専門学校(ホンダ関西自動車整備専門学校)に通って基本を学び、ディーラーに就職して技術力、応用力を学び 同時に接客などの技術も学びました。

基本ホンダ系列の学校や職場がほとんどで、自分が教えるやり方もホンダ式(?)です。

▲工具や部品は床に置かない(これはホンダ学園時代から)
▲常にかたずけながら作業を進める。
▲地面にお尻をつけない(作業着のお尻が汚れるとお客様の車・バイクも汚してしまいます)
▲会話の中で専門用語をなるべく使わない。(お客様を想定した場合は特に)
▲禁止語句は使用しない(特によく耳にする『バラす』はNGでした。正しくは『分解する』)

などうるさいくらい指示させていただきました。  
私も、過去に未熟だった時ほど専門用語を使ってみたり(使うのがプロっぽい気が)しましたが、物事がわかってないうえに専門用語なんて使うとお客様には全く伝わりません。

もう随分前の事ですが、ホンダ2輪1級サービスエンジニア を取得させていただいたときに学んだ、(特に)ソフト面での知識・技術がまだ生きてます(多分(笑)しかも古いし・・)

プロの整備士は車を修理して直すだけではない。車と同様に痛んだお客様の心も治すのがプロだ。 と学んだ事を思い出します。

整備士資格は(他の業種も同じかもしれません)、レベルが上がるほどハード面(技術力)以上にソフト面(接客等の対応)の勉強内容が濃くなります。
やはり『心を治す』ことは大切なのだと思います。

プロとして特に資格なんてなくても、ハード面(安心して任せられる整備技術)とソフト面(整備内容の説明やアドバイス)。このふたつがしっかりしてればお客様の痛んだ心は穏かになると思います。お客様の立場になって考えれば誰でもできる基本だと思います。


DSC00437.jpg

サービスマニュアルを片手に分解作業を進める体験者。
マニュアルには書いてない事もいっぱいあります。今回そのあたりを特に重視して指導させていただきました。

予定の時間通り進まない事にあわてたり、苛立ったりしてるのもよくわかります。
私も同じ経験をしてきました。

そして、最も気を遣うのは組立てです。締め忘れや取り回しのミスがないように何度も確認を繰り返します。
整備士にとって、ミスは命取りです。
お客様の安全にも関る一番重要なことです。
例えばブレーキパッド交換で丁寧に面取りまでしてあげても、キャリパーボルトが締まってなかったら全て信用を失います。

ミスを防ぐように最大限努力しないといけません。特に複数の作業員でやる場合は要注意です。

「作業を見たい」お客様に見守られながら会話もしながらでも、ミスの無いように作業しないといけません。
それには確認!確認!確認!の連続です。
声を出しての各部チェックも良いと思います。 とにかく安全な商品(整備)を提供できるようにします。

DSC00439.jpg

講習期間中はAM10時からPM6時頃までみっちりやりました(休憩時間ありですよ)
終了間際には表情からも疲れてきてるのがわかります。

慣れない現場で慣れない作業。かなりキツかったと思います。
ホテルに帰っても慣れない部屋。。。 ほんとお疲れ様でした。

作業内容とは関係ない話しが多くなってしまいましたが、私も良い経験ができました。
今後ももし時間的な余裕があったら、またやってみたいと思います。


むか〜し、ホンダ技研の社長(確か川本社長)にお会いして握手した時に『いい手してるね!』と言っていただいた事があって、その時自分は生涯整備士として働こうと心に誓った事を思い出しました。(ピュアな頃の話)

記事がだいぶ長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございました。



ラベル:整備講習 ホンダ
posted by ME at 20:16| Comment(3) | TrackBack(0) | 作業日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

その節は本当にお世話になりました。
整備の基本の基本から多くの事を教えていただき、これまでとは違ったバイクの見かたができるようになりました。
これまでより五感でバイクを感じる習慣がついてきたというか…。

先日は後輪の駆動系から少し異音がするのを感じたのですが、チェーン注油をすると快適になりました。

チェーン注油など当たり前の整備ですが、こんなちょっとしたことでもバイクが快適になったことがとてもうれしいです。

ますます自分のバイクが好きになりました!


また、今回の講習では整備以外にも多くのことを学ばせていただきました。
自分の夢を何らかの形で実現させるまで忘れないでおきます。
Posted by 80’sライダー at 2011年07月11日 21:47
「作業を見たいお客様」って僕や!

僕も弟子入りしようかな?
…すいません。心にもないことを言いました。
Posted by T@intruder at 2011年07月13日 22:10
>80’sライダーさん
こちらもいい経験ができました!教えるようなレベルではないのですが、何かお役に立てば幸いです!!

>T@intruderさん
皆さんやはり自分のバイクの整備してる所は見てみたいようで、最近は椅子も準備して座って見ていただいてます!いつでもご覧ください。
Posted by ME at 2011年08月11日 16:23
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